今から約400年前。
自然が豊かな米どころの登米地方は、伊達藩の「買米制度」により、年貢を納めた後の余ったお米まで江戸に買い上げられていました。
満足にお米を食べられない農民は、小麦粉を練って、おいしい「はっと」を作り出します。
はっとが広く好まれるようになると、領主は
「小麦ばかりを作り、米作りをしなくなるのでは」
と考え、はっとを禁止=法度(はっと)するようになったことから、「はっと」と呼ばれるようになりました。
今回は、そんな美味しすぎてご法度にされてしまった「はっと」(宮城県登米市の郷土料理)の解説、おすすめのお店、登米無双などについてご紹介します!
「はっと」は宮城県登米市の郷土料理


登米市に古くから伝わるソウルフード、「はっと」。
ツルツル、もちもちの食感がたまらないはっとは、小麦粉料理のひとつです。
小麦粉に水をくわえて、耳たぶくらいのかたさになるまで練って、しばらく寝かせます。
生地が熟成したら、指で薄く伸ばしながらちぎり入れて、醤油仕立ての汁でコトコト煮込みます。
ベテランのお母さんが、リズミカルにポンポンと生地をつみながらお鍋に入れていくのは、なかなか真似できないスゴ技です!
デザートにするときは、茹でたはっとに、あずき、ずんだなどを絡めます。
御出汁や具材は、登米地方の中でもさまざま。
それぞれの地域と、各家庭の味が堪能できるお袋の味です!
はっとを宮城県登米市で食べられるお店「蔵・ら~ 」
宮城県登米市登米町寺池桜小路2 とよま観光物産センター「遠山之里」内
喰膳 蔵・ら~ (くらら~)
営業時間:11:00~16:00
定休日:無休
電話番号:0220-52-2922
登米市の観光拠点、とよま観光物産センター「遠山之里」。
その中にあるお食事処、蔵・ら~。
遠山之里は、お食事処、観光案内、新鮮なお野菜とお菓子、お土産など、何でもあって便利な場所。
なので、まずはここに行くことをおすすめします!
お手洗いも比較的新しくて広々しているので、子連れの方はここでゆっくり旅支度ができると思います。
「喰膳 蔵・ら~」には、「はっとセット」や、「油麩丼」など、郷土料理がたくさん。
はっとのほかにもミニケーキなどがついていて、大満足のランチをいただけました♪
周辺にも、登米のグルメが楽しめる昔ながらのお店がたくさんあるので、ぜひ散策してみてくださいね。
「はっと屋台村」と「日本一はっとフェスティバル」もおすすめ!

登米市では、一年中はっとの催しを楽しめます。
・はっと屋台村(2020年開催中止)
「遠山之里」前で、さまざまな「はっと」の屋台が並び、食べ比べができます。
定番の「油麩はっと」の他にも、あずき、牛もつ、赤豚、海鮮、など!
(1杯300円~)
私は、春のお花見の季節に行きました。
桜やたんぽぽに囲まれながら、青空の下でいただく温かいはっと。
とっても幸せを感じました!
・日本一はっとフェスティバル(2020年開催中止かは不明)
登米市の各地から、おふくろの味「はっと」が集結するビックイベントです。
ステージでは、はっと踊り、よさこいなども披露されます。
「インドカレーはっと」「あっさり中華はっと」など、国境を越えたはっとも!
はっとの人気投票などもあり、ぜひ行ってみたいです。
はっと(宮城県登米市の郷土料理)/レシピ

作り方は、とてもシンプル!
小麦粉は普通のものでOKですが、とよま観光物産センター「遠山之里」で売っている、はっと用の小麦粉もおすすめです。
トメ流 おいしい“はっと”の作り方(4人分)
小麦粉(150g)に水(80㏄)を加え、耳たぶくらいの柔らかさになるまで練った後、寝かせておく。
適度な大きさに油揚げ(1枚)、大根(2/4本)、しいたけ(2個)、長ねぎ(1本)などを切っておく。
鍋に水(1000cc)とカツオだし(6g)を入れて火に掛ける。
沸騰手前で食材としょうゆ(40cc)を入れる。
寝かせておいた生地(はっと)を薄くのばし、一口大にして鍋へ入れる。
この“はっと”をちぎる動作を「はっとつみ」といい、登米無双の奥義にもこの動きが取り入れられているとか… 生地に火が通ったら塩(3g)で味を調えて完成!
お好みで七味とうがらしをどうぞ。
トメ流 おいしい“はっと”の作り方(4人分)/登米無双のサイトより引用
レシピ動画もあります。
ぜひお試しください♪
小麦粉をちぎる作業が楽しいですよ。
「はっと」は宮城県登米市の郷土料理/まとめ

以上、『「はっと」を登米市で食べました!宮城の郷土料理でほっこり!お店とレシピもご紹介!』をお届けしました。
東北最大の北上川が流れ、豊かな水と大地に恵まれた登米市。
昔から登米で愛されてきたはっとは、食べる人の心も体もホッと満たしてくれるお料理です。
登米市の魅力は、グルメだけではありません。
明治時代の、モダンな和洋折衷の歴史的建築物などもあり、かつての日本人の美意識を感じることができます。
以前、はっと汁を食べた後に、教育資料館で袴を着せてもらう「ハイカラさん着付け体験」をしたことがあります。
かわいい着物を着て、昔の女学生気分になれて、とても楽しい思い出になりました!
郷土愛に溢れる登米に、ぜひ遊びに行ってみてくださいね♪
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